Bybit(バイビット)は、世界トップクラスの流動性と使いやすさを誇る海外仮想通貨取引所ですが、利用する上で避けて通れないのが「手数料」です。
「頻繁に取引していたら、利益よりも手数料の方が高くなってしまった(手数料負け)」
「USDTを送金しようとしたら、予想以上に高い手数料を取られた」
このような失敗を防ぐためには、Bybitの手数料体系を正しく理解し、賢く立ち回ることが重要です。特に2025年現在、ネットワーク手数料(ガス代)の変動や新しいVIPプログラムの適用など、知っておくべき情報は多岐にわたります。
この記事では、Bybitの全手数料体系を徹底解説し、具体的な計算シミュレーションや、コストを極限まで抑えるための裏技まで詳しく紹介します。
【この記事でわかること】
- Bybitの全手数料(現物・デリバティブ・入出金)の完全一覧
- 手数料負けしないための「Maker(指値)注文」活用法と計算例
- USDTやXRPを最安値で送金するためのネットワーク選択術
- 資金調達率(ファンディングレート)やスプレッドなどの「隠れコスト」の仕組み
- 他社と比較したBybitの手数料の優位性

Bybit(バイビット)の手数料完全ガイド【全種類一覧】
まずは、Bybitを利用する際にどのような場面で手数料が発生するのか、全体像を把握しましょう。手数料構造を理解することは、利益を最大化するための第一歩です。
Bybitで発生する手数料は主に5種類
Bybitでコストとして認識しておくべき項目は、大きく分けて以下の5つです。
- 取引手数料: 売買が成立した際に発生する手数料(現物・デリバティブ)。
- 入金手数料: Bybitへ資金を入れる際にかかる費用(基本無料だが例外あり)。
- 送金(出金)手数料: Bybitから外部ウォレットや他社へ送る際にかかる費用。
- 資金調達率(ファンディングレート): デリバティブ取引でポジションを保有し続ける場合に発生する金利のようなもの。
- コンバート・スプレッド: 両替機能などを利用した際に、実質的なコストとして発生する価格差。
手数料体系の早見表
以下は、一般会員(VIPランクなし)における基本的な手数料の一覧です。
| 手数料の種類 | 項目 | 手数料率・目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 現物取引 | Maker (指値) | 0.10% | 板に注文を並べる側 |
| Taker (成行) | 0.10% | 板の注文を取りに行く側 | |
| デリバティブ取引 | Maker (指値) | 0.020% | 先物取引など |
| Taker (成行) | 0.055% | 先物取引など | |
| 入金手数料 | 仮想通貨入金 | 無料 | マイニング手数料は送金元負担 |
| クレカ購入 | 3.5%〜 | サービスプロバイダによる | |
| 送金(出金)手数料 | 仮想通貨出金 | 通貨・チェーンによる | 例: XRPは約0.25 XRP |
| その他 | 資金調達率 | 変動制 (8時間毎) | ポジション保有者間で授受 |
1. 取引手数料(現物・デリバティブ)の詳細
Bybitのメイン機能であるトレードにかかる手数料を深掘りします。ここでは「Maker(メイカー)」と「Taker(テイカー)」という概念が非常に重要になります。
現物取引の手数料(Maker/Taker)
現物取引(Spot Trading)は、実際に仮想通貨を売買する取引です。Bybitの現物取引手数料は、標準ランクで一律0.1%に設定されています。
- Maker(メイカー): 取引板(オーダーブック)にない価格で指値注文を出し、流動性を提供する取引。
- Taker(テイカー): 既に板にある注文を成行などで約定させ、流動性を消費する取引。
【計算シミュレーション:現物取引】
ビットコイン(BTC)を10,000 USDT分購入した場合:
| 注文方法 | 取引額 | 手数料率 | 支払う手数料 | 手元に残るBTC価値 |
|---|---|---|---|---|
| Maker / Taker | 10,000 USDT | 0.10% | 10 USDT | 9,990 USDT分 |
※現物取引においては、標準ランクではMaker/Taker共に同率ですが、VIPランクが上がるとMaker手数料が無料に近づいていきます。
デリバティブ(先物)取引の手数料
レバレッジをかけた取引(USDT無期限契約など)では、現物よりも手数料率が低く設定されていますが、取引金額(レバレッジ後の金額)に対して手数料がかかるため注意が必要です。
- Maker手数料: 0.020%
- Taker手数料: 0.055%
【計算シミュレーション:デリバティブ取引】
証拠金1,000 USDTでレバレッジ10倍(取引額10,000 USDT)のポジションを持った場合:
| 注文方法 | 取引額 | 手数料率 | 支払う手数料 |
|---|---|---|---|
| Maker (指値) | 10,000 USDT | 0.020% | 2.0 USDT |
| Taker (成行) | 10,000 USDT | 0.055% | 5.5 USDT |
ここがポイント:
Taker注文はMaker注文の2.75倍の手数料がかかります。頻繁に成行注文を繰り返すと、利益が手数料で相殺される「手数料負け」の原因となります。
オプション取引の手数料
BybitではUSDC建てのオプション取引も可能です。
- Maker: 0.02%
- Taker: 0.02%
オプション取引はプロ向けの商品であり、手数料体系もシンプルに設定されています。
VIPプログラムによる手数料割引
Bybitには、取引高や資産残高に応じた「VIPプログラム」があります。条件を満たすとランクが上がり、劇的に手数料が安くなります。
| ランク | 条件 (資産残高など) | 現物 Maker | 現物 Taker | デリバティブ Maker | デリバティブ Taker |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般 | < $50K | 0.1000% | 0.1000% | 0.0200% | 0.0550% |
| VIP 1 | ≥ $50K | 0.0400% | 0.0600% | 0.0180% | 0.0400% |
| VIP 2 | ≥ $250K | 0.0250% | 0.0500% | 0.0160% | 0.0375% |
| Pro 1 | (取引高要件) | 0.0150% | 0.0400% | 0.0100% | 0.0300% |
※VIPランクの昇格条件は「資産残高」または「30日間の取引高」のいずれかを満たせば適用されます。
2. 入出金・送金手数料の詳細
Bybitへの入金や、Bybitから他の取引所・ウォレットへの出金にかかるコストについて解説します。

入金手数料(仮想通貨入金・クレカ購入・P2P)
Bybitにお金を入れる方法は複数ありますが、コストは大きく異なります。
- 仮想通貨入金: 無料
- 国内取引所などからXRPやETHを送る場合、Bybit側で受け取る手数料は0円です。ただし、送金元の取引所で送金手数料がかかる場合があります。
- クレジットカード購入: 3.5%〜4.5%(目安)
- 「ワンクリック購入」などでクレカを使うと、決済プロバイダへの手数料が高額になります。急ぎの場合以外は推奨されません。
- P2P取引(銀行振込など): 無料(条件による)
- ユーザー同士で売買を行うP2P取引では、Bybitへの手数料は基本的に無料ですが、銀行振込の手数料などは自己負担です。
送金(出金)手数料とマイニング手数料
Bybitから外部へ仮想通貨を送る際は、「出金手数料」がかかります。これはBybitの利益というよりは、ブロックチェーンのマイナーに支払う「ガス代(マイニング手数料)」が原資となっています。
主要通貨の出金手数料目安(2025年時点)
| 通貨 | ネットワーク (チェーン) | 手数料目安 | 日本円換算目安 (1USD=150円) |
|---|---|---|---|
| BTC | Bitcoin | 0.0002 BTC | 約2,000円〜3,000円 |
| ETH | ERC20 (Ethereum) | 0.003 ETH | 約1,000円〜2,000円 (変動大) |
| USDT | TRC20 (Tron) | 1 USDT | 約150円 |
| BEP20 (BSC) | 0.3 USDT | 約45円 | |
| ERC20 (Ethereum) | 4〜10 USDT | 約600円〜1,500円 | |
| XRP | Ripple | 0.25 XRP | 約20円〜30円 |
注意点:
USDT(テザー)を送金する場合、イーサリアムチェーン(ERC20)を選ぶと非常に高額になります。送金先が対応しているなら、TRC20やBEP20を選択することで、コストを数十分の一に抑えることができます。
3. その他の重要な手数料(資金調達率・スプレッド)
初心者が見落としがちなのが、この「隠れコスト」です。これらを知らずに放置すると、気づかないうちに資産が目減りする可能性があります。
資金調達率(ファンディングレート)とは
デリバティブ取引(無期限契約)において、現物価格と先物価格の乖離を調整するために発生する手数料です。Bybitに支払うものではなく、ユーザー間(ロング保有者とショート保有者)で支払われます。
- 資金調達率が「プラス」の場合: ロング保有者がショート保有者に手数料を支払う。
- 資金調達率が「マイナス」の場合: ショート保有者がロング保有者に手数料を支払う。
発生タイミング:
日本時間の 1:00、9:00、17:00 の1日3回発生します。この瞬間にポジションを持っていると支払い(または受け取り)が発生します。
【計算式】資金調達料 = ポジション価額 × 資金調達率
例:10,000 USDTのロングポジションを持っていて、資金調達率が0.01%(プラス)の場合、1 USDTをショート勢に支払います。少額に見えますが、レバレッジをかけて長期間保有すると大きなコストになります。
コンバート(両替)手数料とスプレッド
Bybitには、保有している通貨を別の通貨に即座に交換できる「コンバート(両替)」機能があります。
この機能自体には「手数料無料」と表示されていますが、実際にはスプレッド(売値と買値の差)が含まれています。
現物取引の板で売買するよりも、レートがわずかに不利(0.1%〜0.5%程度)に設定されていることが一般的です。少額なら便利ですが、大金を動かす際は現物取引(Spot)を利用する方がコストを抑えられます。
Bybitの手数料を安く抑える4つのコツ
ここまで紹介した手数料を踏まえ、徹底的にコストを削減する具体的なアクションプランを4つ提案します。
1. Maker(指値)注文を徹底する
デリバティブ取引において、Taker手数料(0.055%)とMaker手数料(0.020%)の差は歴然です。
エントリーする際は、現在の価格よりも少し離れた位置に「指値注文」を出し、約定を待つスタイル(Maker)を基本にしましょう。さらに、注文オプションで「Post-Only」にチェックを入れると、誤ってTaker注文になってしまうことをシステム的に防げます。
2. 送金手数料の安い通貨(XRP等)やネットワークを利用する
国内取引所からBybitへ送金する際、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を直接送ると、数千円の手数料がかかることがあります。
- おすすめ: 国内取引所でXRP(リップル)を購入し、Bybitへ送金する。手数料は数十円で済み、着金も高速です。
- USDTの送金: 外部へUSDTを送る際は、必ずTRC20またはBEP20ネットワークを選択してください。ERC20は避けるのが賢明です。
3. 紹介コードやキャンペーン特典を活用する
Bybitでは、新規登録時の紹介コード利用や、期間限定のキャンペーンで「手数料割引クーポン」や「ボーナス」が配布されることがあります。
これらは直接的に手数料を安くするものではありませんが、ボーナスを取引の証拠金や手数料の支払いに充当できるため、実質的なコスト削減になります。
4. VIPランクを上げて割引を受ける
ある程度の資金力がある場合、まとまった資金(5万ドル以上)をBybitに入金して「VIP 1」ランクになることを目指しましょう。
VIP 1になるだけで、現物Maker手数料が0.1%→0.04%へと半額以下になります。大口トレーダーにとっては必須の戦略です。
よくある質問(FAQ):手数料に関する疑問を解決
ここでは、検索需要の高い具体的な疑問について、Q&A形式で回答します。
Q1. Bybitの手数料の計算方法は?
A. 以下の計算式で算出できます。
- 現物取引:
約定数量 × 約定価格 × 手数料率- 例:1 BTCを$50,000でTaker買い(0.1%) = 50 USDTの手数料
- デリバティブ取引:
契約数量 × 約定価格 × 手数料率- 例:1 BTC分を$50,000でTakerロング(0.055%) = 27.5 USDTの手数料
※デリバティブの場合、証拠金ではなく「レバレッジをかけた後の総取引額」に対して手数料がかかる点に注意してください。
Q2. Bybitの送金手数料一覧はどこで確認できますか?
A. 出金画面でリアルタイムに確認するのが確実です。
Bybitの公式サイトやアプリの「資産」→「出金」を選択し、通貨とネットワークを選ぶと、その時点での正確なマイニング手数料が表示されます。ブロックチェーンの混雑状況により変動するため、固定の一覧表よりも実際の画面が最も正確です。
Q3. 手数料負けしないための対策はありますか?
A. 「スキャルピングの頻度を減らす」か「Maker注文を使う」ことです。
わずかな値幅を狙うスキャルピングの場合、利益幅よりも往復の手数料(エントリー+決済)の方が高くなる「手数料負け」が起きやすくなります。
- 対策1:値幅を十分に取れるトレンドフォローに切り替える。
- 対策2:必ずMaker注文を使い、手数料を0.02%(往復0.04%)に抑える。
Q4. Bybitの手数料は他社と比べて高いですか?(比較)
A. 世界標準レベルの安さであり、決して高くありません。
| 取引所 | 現物 (Maker/Taker) | 先物 (Maker/Taker) |
|---|---|---|
| Bybit | 0.1% / 0.1% | 0.02% / 0.055% |
| Binance | 0.1% / 0.1% | 0.02% / 0.05% |
| 国内大手 | 販売所スプレッド 3〜5% | (取引所形式は少ない) |
国内取引所の「販売所」と比較すると、Bybitの手数料は圧倒的に安価です。海外大手Binanceと比較してもほぼ同水準であり、VIPプログラムやキャンペーンを含めるとBybitの方が有利になるケースも多々あります。
Q5. Bybitの入金手数料はいくらかかりますか?
A. 仮想通貨による入金は完全に無料です。
ただし、クレジットカード入金の場合は3.5%〜の手数料がかかるため、コストを気にする場合は「国内取引所でXRP購入→Bybitへ送金」のルートを強く推奨します。
Q6. USDTの送金手数料はいくらですか?
A. ネットワークによって異なります。
- TRC20 (Tron): 約1 USDT
- BEP20 (BSC): 約0.3 USDT
- ERC20 (Ethereum): 約4〜10 USDT(高額)
送金先の取引所やウォレットがTRC20に対応している場合は、迷わずTRC20を利用しましょう。
Q7. XRP(リップル)の送金手数料はいくらですか?
A. 約0.25 XRP(約20円〜30円)です。
XRPは送金スピードが速く、手数料も安いため、取引所間の資金移動に最も適した通貨の一つです。ただし、送金の際はアドレスだけでなく「タグ(Memo)」の入力が必須となる点に注意してください。
まとめ:Bybitの手数料は工夫次第で抑えられる
Bybitの手数料体系は非常に透明性が高く、ユーザーにとって納得感のある設定になっています。
【本記事の要点まとめ】
- 取引手数料はMaker(指値)注文を活用することで大幅に節約可能。
- デリバティブ取引では資金調達率の発生時間に注意する。
- 入金は仮想通貨送金で行い、クレカ購入は避ける。
- USDTの送金はTRC20、資金移動はXRPを使うのが鉄則。
- VIPランクを上げることで、手数料コストを極限まで下げられる。
「手数料」はトレードにおける経費です。この経費をコントロールできるトレーダーこそが、長期的に市場で生き残ることができます。ぜひ今日から、Maker注文や最適なネットワーク選択を意識して、賢くBybitを活用してください。