この記事でわかること
- Bybitで複数のメインアカウントを作成すると規約違反(凍結リスク)になる理由
- 公式機能「サブアカウント」を使って安全に口座を使い分ける方法
- 本人確認(KYC)済みのアカウントにおける複数運用のルール
- サブアカウントの具体的な作成手順・資金振替・API設定方法
- アカウントの作り直しや複数端末利用に関するFAQ
仮想通貨取引所Bybit(バイビット)を利用していると、「長期保有用のガチホ口座と、短期トレード用のFX口座を分けたい」「Bot運用のために独立した履歴の口座が欲しい」と考える場面は多いはずです。
しかし、安易に新しいメールアドレスで別のアカウントを作成するのは非常に危険です。Bybitでは厳格な利用規約があり、誤った方法で複数のアカウントを持つと、最悪の場合、資産ごとの口座凍結(出金拒否)につながる恐れがあります。
2025年現在、Bybitでは本人確認(KYC)が必須化されており、ルールの抜け穴はほぼ存在しません。
この記事では、Bybitの利用規約を遵守しながら、合法的に複数の口座を運用するための「サブアカウント機能」について、その仕組みから具体的な設定手順まで徹底的に解説します。リスクを回避し、スマートに資産を管理するための完全ガイドです。
Bybit(バイビット)で複数アカウントを作成するルールと注意点
Bybitで複数の口座を持ちたい場合、まずは「やってはいけないこと」と「推奨される方法」を明確に区別する必要があります。ここを混同すると、取り返しのつかない事態になりかねません。
原則:1人につきメインアカウントは1つまで(KYC必須)
Bybitの利用規約において、同一人物が複数のメインアカウントを作成・保有することは原則として禁止されています。
2025年現在、Bybitのすべてのサービスを利用するためには、本人確認(KYC)レベル1以上の完了が必須となっています。このKYCは、パスポートや運転免許証などの身分証に加え、リアルタイムの顔認証(自撮り)によって行われます。
システム上で「1人の人間=1つのID」として厳格に紐付けられているため、例えば以下のような行為はシステム側で即座に検知されます。
- メールアドレスAで口座開設し、KYCを完了する。
- メールアドレスBで別の口座を開設し、同じ身分証でKYCを試みる。
この場合、「既に登録済みの身分証です」とエラーが出るか、あるいは重複アカウントとして警告を受けることになります。「KYCなしでこっそり使う」という手法も、現在は出金制限や取引制限がかかるため、事実上不可能です。
解決策:公式機能「サブアカウント」なら複数作成が可能
では、用途別に口座を分けたいユーザーはどうすればよいのでしょうか。その正解が、Bybitが公式に提供している「サブアカウント(Subaccount)」機能です。
サブアカウントとは、KYC済みの1つのメインアカウントの下に、枝分かれする形で作成できる子口座のことです。
- メインアカウント: 親となる口座。KYC情報やセキュリティ設定(2段階認証など)を管理。
- サブアカウント: メインに紐づく口座。独立した資産ウォレットや取引履歴を持つ。
サブアカウントを作成すれば、規約違反になることなく、堂々と複数の口座を使い分けることができます。Bybit側も、高度なトレーダーやBot運用者のためにこの機能を推奨しています。
禁止事項:複数メインアカウント作成による凍結リスク
最も避けなければならないのは、「サブアカウント機能を使わずに、別人のフリをして複数のメインアカウントを作ろうとする行為」です。
以下のようなケースは、Bybitのセキュリティシステムによって「不正利用」「マネーロンダリングの疑い」「ボーナスの不正受給(自己アフィリエイトなど)」とみなされ、アカウント凍結(BAN)の対象となる可能性が高いです。
【凍結リスクが高まるNG行為の例】
- 同一IPアドレスでの複数アカウント操作: 家族で別々のアカウントを持っている場合でも、全く同じPC・同じブラウザで頻繁にログインを繰り返すと、同一人物による複数アカウント運用と誤認されるリスクがあります。
- 自己アフィリエイト: 自分の紹介リンクから、自分のサブ用アカウント(別メアドのメインアカウント)を作成する行為。これは明確な規約違反であり、報酬没収および口座凍結の対象です。
- 虚偽のKYC: 他人の名義を借りてアカウントを作成し、自分が操作する行為(借名取引)。
安全に運用するためには、「メインアカウントは1つだけ」という鉄則を守り、口座を分けたい場合は必ず「サブアカウント」を利用してください。

Bybitのサブアカウント機能とは?メリットと特徴
サブアカウント機能は、単に「口座が増やせる」だけではありません。プロトレーダーやシステムトレーダーにとって必須とも言える強力なメリットがあります。
サブアカウントの基本仕様(作成上限数や手数料)
まずはサブアカウントの基本的なスペックを確認しましょう。メインアカウントとサブアカウントには、機能面でいくつかの違いがあります。
【メインアカウントとサブアカウントの比較】
| 機能・項目 | メインアカウント | サブアカウント |
|---|---|---|
| 作成可能数 | 1人1つまで | 最大20個(標準ユーザー) ※VIPはそれ以上作成可能 |
| 本人確認 (KYC) | 必須 | 不要(メインのKYC情報を継承) |
| ログインID | メールアドレス/電話番号 | 専用のユーザー名 + パスワード |
| 入金 | 外部から直接入金可能 | 原則メインからの振替 ※設定により外部入金も可 |
| 出金 | 外部へ直接出金可能 | 原則メインへ振替 ※設定によりウォレットへ出金可 |
| 取引手数料 | VIPランクに基づく | メインのVIPランクが適用される |
| APIキー | 発行可能 | 発行可能(独立して管理) |
特に重要なのは、「メインアカウントのVIPランク(手数料割引)がサブアカウントにも適用される」という点と、「KYCの手間なく即座に作成できる」という点です。
メリット1:トレード戦略ごとに資金と履歴を管理できる
最も一般的な使い方は、トレードスタイルによる口座の使い分けです。
例えば、1つの口座で「長期保有の現物ビットコイン」と「ハイレバレッジのFX取引」を混在させていると、誤操作で現物を証拠金として使ってしまったり、損益計算が複雑になったりします。
- サブアカウントA: ガチホ用(現物保管のみ。レバレッジ取引はしない)
- サブアカウントB: スキャルピング用(高レバレッジ、少額資金)
- サブアカウントC: デイトレード用(中長期目線)
このように分けることで、FXでロスカット(強制決済)になっても、ガチホ用の資産には一切影響が出ないようにリスクを遮断(隔離)できます。これは「資金管理」の観点で非常に有効です。
メリット2:メインアカウントとVIPランクを共有できる
Bybitには取引量や資産残高に応じた「VIPプログラム」があり、ランクが上がると取引手数料が安くなります。
サブアカウントでの取引量は、メインアカウントの取引量と合算されて計算されます。また、メインアカウントがVIPランクに到達していれば、すべてのサブアカウントでも同様の安い手数料率が適用されます。
「サブアカウントを作ると取引量が分散してVIPランクが落ちるのでは?」という心配は無用です。むしろ、用途別に活発に取引することで、効率よくランクアップを目指せます。
メリット3:コピートレードやBot運用に最適
自動売買(Bot)やコピートレードを利用する場合、サブアカウントは必須級の機能です。
- コピートレード: 特定のマスタートレーダーをコピーする際、専用のサブアカウントを割り当てることで、コピー用の資金上限を物理的にコントロールできます。
- Bot運用: APIを使ってBotを動かす際、万が一プログラムが暴走しても、そのサブアカウントに入れている資金以上は損失が出ないように制限できます。また、APIキーをサブアカウントごとに発行できるため、セキュリティリスクも分散できます。
【図解】Bybitサブアカウントの作り方と設定手順
それでは、実際にサブアカウントを作成し、運用を開始するまでの手順を解説します。PCブラウザ版とスマホアプリ版、それぞれの方法を見ていきましょう。
PC/ブラウザでのサブアカウント作成手順
PCで操作する場合、管理画面が見やすく設定も容易です。
- ログイン: Bybitのメインアカウントにログインします。
- アイコンメニュー: 画面右上の人物アイコンにカーソルを合わせます。
- サブアカウントを選択: メニューから「サブアカウント」をクリックします。
- 新規作成: サブアカウント管理画面の右上にある「+ サブアカウントを作成」ボタンをクリックします。
- タイプ選択:
- 標準サブアカウント: 従来のタイプ。
- UTA(統一取引アカウント): 現物、デリバティブなどの証拠金を共有できる新しいタイプ。現在はこれが推奨されています。
- ユーザー名設定: ログイン用のユーザー名とパスワードを設定します。
- ※ユーザー名は後から変更できない場合があるため、識別しやすい名前(例:
Taro_FX_01など)にしましょう。
- ※ユーザー名は後から変更できない場合があるため、識別しやすい名前(例:
- 作成完了: 認証コードなどを入力すれば即座に作成されます。

スマホアプリでのサブアカウント作成・切替方法
スマホアプリでもサブアカウントの作成や切り替えが可能です。
- ホーム画面: アプリ左上のプロフィールアイコンをタップします。
- 設定メニュー: メニュー内の「サブアカウント」または「設定」>「サブアカウント」を選択します。
- 作成: 「+ サブアカウントを作成」をタップし、PC同様にユーザー名とパスワードを設定します。
- アカウント切り替え:
- 作成後は、プロフィール画面の上部にある「アカウント切り替え」ボタン、またはサブアカウント一覧から、ログアウトすることなく瞬時にメイン・サブを行き来できます。
サブアカウントへの資金振替(振替)方法
作成したばかりのサブアカウントの残高は「0」です。取引を始めるには、メインアカウントから資金を移動(振替)する必要があります。この振替手数料は無料で、即時反映されます。
- 資産ページへ: 「資産」または「資産運用」ページを開きます。
- 振替をクリック: 「振替(Transfer)」ボタンを選択します。
- 振替元の選択:
- 振替元(From):メインアカウント(資金調達アカウントや現物アカウントなど)
- 振替先(To):サブアカウント(作成したアカウント名を選択)
- 通貨と数量: 移動したい通貨(USDTなど)と数量を入力し、「確定」を押します。
これで資金移動は完了です。逆に、サブアカウントからメインアカウントへ資金を戻す際も同様の手順で行えます。
APIキーの発行と管理設定
Bot運用などでAPIを使用する場合の設定です。
- サブアカウントに切り替え: まず、APIを発行したいサブアカウントにログイン(または切り替え)します。
- API管理へ: アイコンメニューから「API」を選択します。
- キー作成: 「新しいキーを作成」をクリックします。
- 権限設定:
- 「APIトランザクション」を選択。
- 必要な権限(注文、ポジションなど)にチェックを入れる。
- IP制限: セキュリティのため、Botを動かすサーバーのIPアドレスを必ず登録しましょう。
- キー保存: APIキーとシークレットキーが表示されるので、厳重に保管します(シークレットキーは一度しか表示されません)。
Bybitの複数アカウント・サブ垢に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、検索需要の高い「関連キーワード」に基づき、ユーザーが抱きやすい疑問にQ&A形式で回答します。
Q1. Bybitで複数アカウントのKYC(本人確認)は可能ですか?
A. いいえ、できません。
BybitのKYCシステムは、1人の人間(1つの身分証・顔データ)につき、1つのメインアカウントしか認証しません。すでにKYC済みのユーザーが、別のメールアドレスで新規アカウントを作り、同じ書類でKYCを行おうとすると、システムエラーで弾かれるか、重複登録として処理されます。複数の口座が必要な場合は、必ず「サブアカウント」を作成してください。
Q2. サブアカウントの作り方でエラーが出る原因は?
A. 主に以下の原因が考えられます。
- 作成上限に達している: 標準ユーザーは最大20個までです。不要なサブアカウントを削除するか、VIPランクを上げる必要があります。
- ユーザー名の重複: すでに他のユーザーが使用しているユーザー名は設定できません。ユニークな文字列に変更してください。
- パスワード要件: 文字数や特殊文字などの要件を満たしていない場合があります。
- ブラウザの不具合: キャッシュクリアや別のブラウザでの試行を推奨します。
Q3. APIを使ってサブアカウントを管理できますか?
A. はい、可能です。
メインアカウントのAPIを使って、サブアカウントの作成や資金振替をプログラムから制御することも可能です(親API権限が必要)。また、各サブアカウントごとに個別のAPIキーを発行し、その口座内でのトレードのみを実行させることもできます。リスク分散の観点から、BotごとにサブアカウントとAPIキーを分ける運用が推奨されます。
Q4. アカウントを作り直したい場合、削除して再登録できますか?
A. 可能ですが、注意が必要です。
現在のアカウントを「退会(アカウント削除)」申請し、完全に削除処理が完了すれば、同じ身分証を使って新しいアカウントでKYCを行うことは理論上可能です。
ただし、削除処理には時間がかかる場合があるほか、過去の取引履歴やVIPランク、紹介コードの紐付けなどはすべてリセットされます。「作り直し」のリスクは大きいため、単に口座を分けたいだけならサブアカウントの利用を、メールアドレスを変えたいだけなら設定変更を行うことをお勧めします。
Q5. 標準アカウントと統一取引アカウントの違いは?
A. 証拠金の扱いが異なります。
- 標準アカウント: 現物、デリバティブ(USDT無期限など)でウォレットが分かれており、資金振替が必要。
- 統一取引アカウント (UTA): 1つのアカウントで現物、マージン取引、デリバティブ取引を管理でき、現物資産(BTCなど)をそのまま証拠金として利用可能。
2025年現在はUTAが主流であり、新規サブアカウント作成時もUTAがデフォルトで推奨されるケースが増えています。
Q6. 複数の端末(スマホ・PC)で同時ログインしても大丈夫ですか?
A. はい、問題ありません。
1つのアカウント(メイン・サブ問わず)に、PCとスマホアプリから同時にログインして操作することは規約違反ではありません。
ただし、「異なる場所(IPアドレス)にある大量の端末から同時にアクセスする」ような異常な挙動は、不正アクセスやアカウント共有を疑われ、セキュリティロックがかかる可能性があります。ご自身の管理下にある端末(PC、スマホ、タブレット)で常識的な範囲で使用する分には安全です。
まとめ:Bybitはサブアカウントを活用して効率的に運用しよう
2025年のBybitにおいて、複数のメインアカウントを作成する行為は、KYCの仕様上不可能であり、凍結リスクを伴う危険な行為です。
一方で、Bybitはトレーダーの利便性を高めるために、非常に優秀な「サブアカウント機能」を提供しています。
- リスク分散: ガチホ資産とトレード資金を隔離できる。
- 効率化: メイン口座のVIPランク恩恵をすべてのサブ口座で受けられる。
- 安全性: 規約に準拠したホワイトな方法で、最大20個以上の口座を持てる。
「口座を分けたい」と思ったら、迷わずサブアカウントを作成しましょう。正しい知識と設定で運用することで、資産を守りながら、より高度なトレード戦略を実行できるはずです。まずはPCまたはアプリから、最初のサブアカウントを作成してみることをおすすめします。